服を脱がして

2018.09.30

繰り返される渇望を
闇雲に満たそうした夜
服の中身は空っぽだった
誰もが夜明けを待ってた

LYRIC

服を脱がして

「イケナイことしちゃいけないね」と笑って
成り上がりと無分別
くだらない

溢れ出す孤独が君のベッド汚して
腐りかけは冷蔵庫へ
間違い探しはしない

ハローもっとtrend見て
She'll be sayin' "Use me now"
昼の君を裏切って 嘘みたいな夢
何もかも吹き飛ぶ気配

服を脱がして
ヤッちまうだけの関係に
猿みたいな
羽を騙して もっと遠くへ
そう反抗期 もう半世紀

「いらないものすら足りないの」と悟って
舌を真っ赤に染めたくて
見つめ合って嘘ついた

「あわよくば」って鈍いstance
He'll be sayin' "Use me now"
指咥えて寝てんなら 真夜中の遊泳
誰もかも羨む世界

服を脱がして
ヤッちまうだけの関係に
シラケる日は
心渇いて もっと回して
無能 乾燥機 
溺れないように
コールタールの海を藻掻いて
何処に辿り着くの

服の中身は空っぽで
詰め込むだけ

誰もかもが何もかもが
ただ夜明けを待ってる

キスをしたって ふと横目で
振り返れば 猿真似だなぁ
誰を気取って そっと透き通る歌
さぁ謳おう

服を脱がして
ヤッちまうだけの関係じゃ
猿みたいな
羽を騙して もっと遠くへ
そう反抗期 もう半世紀

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COLUMN



渇き。この楽曲を作るにあたりイメージした言葉。

心から幸せで、何不自由なく、自分の人生は最高だと思える人がどれくらいいるんだろう?
人はいつも天邪鬼で、無い物ねだりで、今あるものを当たり前と思い、無いものが足りないと感じてしまう。

僕だって誰かに認められたい、そう思って苦しくなる夜があった。

「誰かに認められたい」「モテたい」という他者からの承認欲は一度心に芽生えると、満たされるまで異常な行動をとってしまう。でもいくら心を承認欲や性欲で満たそうとしても、一時事的には満足しても、根本的な渇望はきっとなくならない。

さらなる欲求へと手を伸ばし、まるで中毒のように繰り返してしまう。

どうすればこの「渇き」は無くなるんだろう?
きっと自分が自分自身を認めることなんじゃないだろうか。自分のことを常に見ている自分自身が、自分を立派だと認めない限り、この渇望は消えないのだと思う。

「服を脱がして」では、上記の「渇き」について、主人公がもう一人の悪の自分に言いくるめられていく(もしくは言い聞かせている)様を歌っています。

曲のストーリーは下記、

''序盤、主人公は物質的欲求を満たそうする成金や、性欲に身を任せる無分別について「くだらない」と一蹴するが、一時の過ちをもう一人の自分に「間違い探しはするな、夢のようだっただろ」と、正当化されてしまう。そして本当の理想(羽)を騙して欲望を満たしていくようになり、虚無感を感じてしまう日は「足りないから」だとさらなる欲求で覆い隠してしまう。ある日、服の中は「空っぽ」だったことに気づくが、すでに手遅れ、中毒状態でやめる事ができず、ダメだと気づきながらも過ちを繰り返す事しかできなくなってしまう''

Pororocaでは世間に反してでも自分というオリジナルを大切にする「本当の自分」について歌っていますが、「服を脱がして」は反社会的な歌ではなく、むしろ自分を律する事のできない大衆観を歌っています。誰もが特別だと思われたいという思いが強く出てしまうが故に、大衆化してしまう皮肉を歌っています。

 

【制作過程】

2016年7月

サビのメロディが浮かび、ピアノで録音するも当初は今のロックサウンドを全くイメージしておらず、グリム童話のようなダークな童謡のようなアレンジをイメージしていた。跳び跳ねるようなメロディに歌詞をすぐにつけるのが難しく、音源化はされないことに。

2017年7月

Payaoとしての活動が決まり、Pororoca、四季折々などが完成後、Payaoの世界観の中でも癖の強いよりダークな面を見せられる曲が欲しいということになり、完成していたこのダークなサビメロディから曲を作成することが決定。ロックテイストとして書き換えることが決まると同時に「服を脱がしてヤっちまうだけ」というワードが浮かび、これ以上ハマるワードもないだろうということで楽曲の方向性が決まる。

2017年8月

サビの詞に合った歌詞を作るため、不貞行為を行う登場人物が出てくる映画を見まくる。同時に「欲に溺れて抜け出せない人々への警告ソング」として方向性が決まる。歌詞と並行して楽曲を詰めていく。丁度Suchmosのスモーキーなサウンドが流行り始めたのでこの曲にも応用できないかJimuno.kさんに相談した。ボイスやエフェクトの掛け方など一緒に詰めていくことに。

 

2017年9月

STUDIO SUNSHINEにて上原翔さんと4時間のレコーディング。実は歌いやすく、割とスムーズに短時間で録音が完了。

2017年10月

上原翔さんによりミックス/マスタリング完成。

2018年1月

Prorocaに続いて、アルバムGrasshopperのリード曲に抜擢。仁宮裕さん監督のもと、MV撮影することに決定した。仁宮裕さんと俳優上原さんと打ち合わせ。MVのイメージを話し合う。

 

2018年2月



東中野駅周辺でMV撮影。前日が大雪ででかなり寒く、雪がチラついていた。
夜19時から撮影がスタートし、商店街や公園、高架下など、曲のイメージに近い
ロケ地を探し歩き回りながら撮影する。
ラストサビでは「夜の公園で叫びながら股間を押さえて悶える」という
上原さんの俳優人生でもかなり際どい演技にチャレンジしてもらうが、MVで見るとメッセージ性の強いクールなイメージに仕上がっている。1日でほぼ撮影完了。

 

2018年9月

1st Album 「Grasshopper」のリード曲としてMVと共にリリース。

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