Birthday

2019.12.25

Birthday:誕生を記念する日。多くの人が喜んでお祝いをする。
人やペット、芸術の作品や国がはじまるときの記念日にもなる。

LYRIC

Birthday

「大人になってしまったね」と
ボヤいていたクセに
飾りついたキャンドルを
吹き消す口が笑う

雨の日の過ごし方
スピッツの歌詞の意味も
手を繋ぐ時 触れた
指輪の愛しさも

僕が眠った映画で泣く君に
気づかされてばかりでまいるなぁ

「誕生日おめでとう」って
あと何回君に言えるだろう?
怖くなって 立ち往生した 雨の中
映像美 稲光 乾いた頬 君と過ごす日も
名画だけを残して通り過ぎる

「バイバイ」が「おやすみ」に変わっても
桟橋で夕焼けを見つめたら
忘れ物した気になるね

写りのいい写真を選ぶから
なるべく忘れずにいられるかなぁ

流行歌 海の色 バスの匂い 横の君の顔
くすぐりあった 小さな部屋 昼下がり
単純に『ありがとう』ってあと何回君に言えるかな?
照れくさい顔をしていたら 笑って欲しい

どこまでもは続かない橋の上
あどけない声が聞こえるから

「誕生日おめでとう」ってあと何回君に言えるだろう?
物憂げな指を握る 小さな手
信号機 通り雨 眠れない夜 君と過ごす日も
通り過ぎていくから
出逢えたよ

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COLUMN

<Birthday>

僕たち人間の「時間」は、前に進み続けています。「時間」は後ろにも前にも動かせない。僕らにできるのは、「時間」に寄り添い、積み重ねることだけ。そして時々、時間の積み重なりを祝います。それが誕生日。とても嬉しい、喜びの記念日。

 

今でもよく覚えている小学生の自分の誕生日。急に奇妙な感覚に襲われました。僕らの「時間」が永遠に続くわけじゃないこと。この誕生日を永遠にお祝いできるわけじゃないこと。生まれた時から当たり前にいる親、兄弟も、いつか積み重なる誕生日を経て、終わりが来ること。新しく出会った大切な人たちもそうであること。その時初めて気付いたのを覚えています。

 

幼い頃から「あと何回、大切な人の誕生日を祝えるのだろう?」――僕はそう逆算の疑問を覚えて、怖がりました。その疑問から目を背けることしか出来ませんでした。今は大人になり、たくさんの人と出会い・別れる中で一つの答えを見つけることができました。この曲の最後にその「答え」を歌っています。

また同時に「一緒にいられる、今を大切する」。このありふれた言葉の意味の、本当の意味が今になって理解できた気がしています。「時間」が進み続けることを怖がる人もいて、ずっと後ろにある思い出を美化する人もいる。でも、時間が過ぎていくからこそ、人との出会いに尊さを感じられる。別れと出会い、それによる切なさと幸せ、これらは表裏一体であり、すべては受け入れるべき、正しいことなんだと思います。「時を感じて、今を大切に生きて欲しい」、それがこの曲に込めた想いです。

【制作過程】

2013年11月

バンドが解散し、音楽活動を停止していた時代にサイクリングにはまっていました。河原を自転車で漕いで、川に映る光が乱反射してとても綺麗で、「こんなのどかな時間が結局一番の幸せなんだろうなぁ」と考えていたとき、ふと頭に「誕生日おめでとう、あと何回君に言えるだろう?」のメロディと歌詞が同時に降ってきたのを覚えています。その時は曲を形にする方法もなかったのでそのまま胸にしまい時間が過ぎていきました。

2018年9月

時を経て、Payaoとしての活動が始まりました。Grasshopperのリリースが終わった後、2ndアルバムではGrasshopperのイメージとは対極にある曲をリード曲として発表していきたい。新しい可能性を感じさせる存在として常に予想を裏切り、期待に答えていく存在でありたかったからです。その中で胸にあった「誕生日」のフレーズ、これを形にしていくのはどうだろう?と言う話が出て、Jimuno.kとミーティング、PayaoのBirthdayソングを作ることが決まりました。

2018年12月

公開レコーディングを行いました。

公開レコーディングの様子

2019年3月

上原翔さんによるMIXが完了。

2019年7月

キャストに渡部瑞貴さん、上原武史さんを招き、雑司ヶ谷でMVの撮影を行いました。




2019年12月
2nd Album [Sidecar]の第一弾リード曲として配信開始。

 

 

FAMILY この作品に関わった方々

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