Grasshopper

2018.09.30

すると、アリは笑って言いました。
『夏の間歌ったなら、冬の間踊りなさい』
すると、キリギリスはこう答えました。
『歌うべき歌は、歌いつくした。私の亡骸を食べて、生きのびればいい。』

LYRIC

Grasshopper


The winter doesn't know the song of the summer
Go with the flow or against the stream?

The winter doesn't know the song of the summer
Kiss Kiss Tell me the way to your heart

The winter doesn't know the song of the summer
Go with the flow or against the stream?

The winter doesn't know the song of the summer
It's the time to emerge...

The winter doesn't know the song of the summer
Tell me the way to your heart

The winter doesn't know the song of the summer
Kiss Kiss Tell me the way to your heart

We don't know how to get the way I guess you know
I guess you know...

The winter doesn't know the song of the summer
Maybe yes Maybe no

Kiss kiss We don't know how to get the way
Tell me the way to your heart

Kiss kiss We don't know how to get the way
cuz the winter doesn't know the song of the summer

Kiss kiss We don't know how to get the way
Tell me the way to your...

The winter doesn't know the song of the summer
over 'n over...

Four Seasons

It's the time to emerge..

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COLUMN

【Grasshopper】
草食の直翅ちょくし類昆虫の総称;特にバッタ,イナゴ,キリギリスなど;作物の害虫もある.  グラスホッパー:カクテルの_一種;ライトクリームと緑色のハッカ入りリキュール.((俗)) マリファナ常習者. または新人の意 

ここでは1stアルバム【Grasshopper】について記述します。

2015年、当時バンド解散から音楽活動を2年間停止していて、何に情熱を注げばいいかわからない、無難な毎日を真面目に過ごしていました。僕が音楽をやっていたことさえ知らない人も周りに増え、自分の中にあった根拠ない自信やアイデンティティと呼ばれるものも、今考えるとかなり薄れていたように思います。しかも大変で平凡な日常にスムーズにシフトしていったため、そういった精神的な変化に無自覚でもありました。

音楽活動をしていなかった理由はいくつかあって、解散がショックだったことや、自分のスキルに自信がなかったこと、また日常が手一杯で時間が取れず、前ほど音楽に情熱を注げないのではないか、中途半端な作品ができるのではないかという恐怖がありました。だからやりたくても前に踏み出せず、所謂「大人」として真っ当な、日々の真面目な生活に時間を割いて目を背けていました。

アリとキリギリスのお話はご存知ですか?

の間、アリたちはの食料を蓄えるために働き続け、キリギリスバイオリンを弾き、歌を歌って過ごす。やがてが来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、最後にアリたちに乞い、食べ物を分けてもらおうとするが、アリは「夏の間歌ったなら、冬の間踊りなさい」と食べ物を分けることを拒否し、キリギリスは飢え死んでしまう。

この物語の教訓はキリギリスのように将来の危機への備えを怠ると、その将来が訪れた時に非常に困ることになるので、アリのように将来の危機の事を常に考え、行動し、準備をしておくのが良いというもの。

まさにアリのような生活をしていたし、それが素晴らしいと褒められる世の中だった。でも最後、アリとキリギリスの会話を少し変更したらどうだろう。

すると、アリは笑って言いました。
『夏の間歌ったなら、冬の間踊りなさい』
すると、キリギリスはこう答えました。
『歌うべき歌は、歌いつくした。私の亡骸を食べて、生きのびればいい。』

人生を強く生きるのには解釈の力が必要だと思う。バンドが解散したことは相手を思いやれない自分に気づく良いきっかけになった、僕がピアノ以外の楽器が弾けないことは素晴らしいアレンジャーと巡り合うためだった、2年間音楽を停止していたことは心から音楽を愛していることに気づく必要な時間だった。何一つ無駄なことはなく、全て今に直結している。アリのように来るか来ないかもわからない見えない危機に備える時間はなかった、情熱を注げない「今」が危機なんだと気づいた。だからキリギリスのように「今」この瞬間を歌い切ることが僕には必要なことだった。それで散れば本望だ。

Grasshopperは決起のアルバムです。表と裏、自分が持っている様々な感情をぶち撒け、その刹那を永遠の形に切り取って標本のように飾ってあります。喜怒哀楽、全てが詰まったこの作品をできるだけ多くの人に聴いてもらえますように。

またこの6曲のPayaoの世界観を一つの楽曲に納めたSingle Grasshopperは本アルバムのすべての編曲を担当してくれたJimuno.kさんとの共作になっています。随所に散りばめられ、練られた音に是非耳を澄ましていただければと思います。

 

【Jimuno.kのコメント】

アルバムの収録曲と全体のデザインが固まった昨年の冬頃、アルバムの"テーマ曲"になる短めのインストを作るということで、Payaoさんからお話をいただきました。

今回は、Payaoさんが僕の家に来て、一緒に方向性を考えました。「こんな感じをイメージしてる」と彼がピアノで弾いたリフを聴き、じゃあ…とその場ですぐに方向性が決まりました。

今回のアルバムは収録曲全てのアレンジを担当してますので、色んなところにJimuno.kならではの色んな"仕掛け"を織り込んでいます。

たとえば、この「Grass Hopper」には収録曲のメロディの一部や、詞、音色の一部などがあちこちに散りばめられています。「あ、ココの部分、Pororocaの…!」となる部分もあれば、ほとんどの方には気づいてもらえない(もしかしたらPayaoさんでさえ気が付いてない部分もあるかもしれません…(笑))ような所にまで色んな細工が施してあります。

是非、探してみていただけると嬉しいです。

他にもPayaoの曲、アーティストとしてのコンセプトをイメージしながら、それに合わせて随所にサイバーチックなデジタルな音から人が歩いていく音だったり、突然コインが落ちる音、他にも全く関係ないアフリカの打楽器なんかも入ってます。

ただ"何となくオシャレ?"って感じの曲とも取れるかもしれませんが、実は色んなこだわりが詰まった一曲になっています。

各曲やアルバムのコンセプトとどう結びついているか、想像しながら聴いてみていただけると嬉しいです。

最後にボイストラックの声を担当いただいたericaさんにもこの場を借りてお礼申し上げます。

FAMILY この作品に関わった方々

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