emerge

2018.05.30

実は希望の方も早く叶えてほしくて、
「そのままの姿で大丈夫だから」と、応援してくれていたらどうだろう?
希望の方ももっと話がしたいと思ってくれてるかも知れない。
そんなイメージから作成した、
「月」と「羽根を持つ虫」が主人公の曲です。

LYRIC

emerge

今 夜の魔物が君を襲って 
眠れない日々のはじっこで泣いてた

なぜ 枯れた花束 部屋に飾って
浮かぶ星に路を尋ねていた蛹 

「羽根のように広げて
怖がらないで 何もかも 全て
僕を近づけて
ありのままで 大丈夫」

もし 叶いもしないと
目を伏せるなら
蜘蛛の巣にかかる
蝶のように サヨナラ…

でももがくなら
強くもがくから

希望に似た羽根を持つ生き物
解ける糸

羽根のように広げた
心にあった 白地図を なぞって
描いた 螺旋の輪
隠れ家なんて もういらない

「羽根のように広げて
囚われないで 何もかも 捨てて
僕を近づけて
ありのままで それでいいから
ねぇ 希望の話をしよう
怖がらないで 何度でも 呼んで
僕を近づけて
ありのままで きっと 大丈夫」

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COLUMN



夜公園をランニングしながら、電灯に群がる昆虫をみて、
何故光に集まるんだろう?と疑問に思うことがあった。
走光性という、光の刺激に反応して移動する習性らしい。

走光性(そうこうせい、Phototaxis)は走性の一つで、生物刺激に反応して移動することである。走光性のうち、光のある方向に近づくような行動は『正の走光性』、光から離れるような行動は『負の走光性』などともいう。


夜行性の昆虫は月の光に対し一定の角度で真っ直ぐに進む習性があり、
人口の光源が一箇所から来た場合でも、その光に同じ角度をもって飛ぼうとするため輪を描いて光源に近づくらしい。

この「emerge」では人が持つ希望の象徴を「月」、そして希望に向かって進む人々を「羽根を持つ虫」で比喩しています。
そしてサビでは希望の月から臆病な虫に対して「怖がらないで、ありのままで、大丈夫だから」と語りかけている、というストーリーです。

おそらく誰もが同じだと思うけど、何か強く願った時に、必要以上に臆病になってしまって動けなかったり、少し壁にぶつかってしまって、どうせ無理なんだとすぐに諦めてしまうことってあると思う。でも少し見方を変えてみて、実は希望の方も早く叶えてほしくて、「そのままの姿で大丈夫だから」と、応援してくれていたらどうだろう?希望の方ももっと話がしたいと思ってくれてるかも知れない。

ジャケットは実は蝶ではなく綺麗な蛾です。蛾でも希望の色に染まって綺麗な光の中を飛んでいく、そんなイメージで作成して頂きました。作詞したのが2014年となるため、個人的には少し初々しさも残る本作ですが、今でも変わらず大好きで自分自身をあと押ししてくれる大切な曲です。

【制作過程】

2014年4月
夜公園をランニングしていた際に、電灯に群がる昆虫をみて、希望を追いかけて右往左往している人々のように感じ、このコンセプトが思いつく。

聴いた人が少しでも前向きになる曲、希望が持てる楽曲を作りたいという思いを持って、跳ねるようなAメロと、羽根を広げて飛び立つようなサビの構成を考えた。作詞は月目線でサビを描くというのだけ感覚的に持っており、「僕を近づけて」という言葉が最初から決まっていた。2番で上手く走光性を表す「螺旋の輪」という歌詞が入れられて満足。

2014年5月
Jimuno.kにアレンジを依頼。当初ピアノアレンジで頭の中では暗めのイメージだったが、カジュアルなポップスに仕上げてもらう。間奏部分のピアノはまさに蛹から少しずつ羽化し、ラストサビで一気に飛び立つ様子を音で表現しています。
ただ完成するも発表の機会がなく、お蔵入りに。

2017年8月
Payaoとしての活動が決定後、配信の候補曲として上がり、リアレンジして配信することが決定。リアレンジにより全体を通して一音一音が洗練されたが、特にイントロはノリのいいギターから「羽化」しているようなピアノに変更し、より神秘的に。

2017年10月
エンジニアの上原さんにミックスを依頼し完成。

2018年5月
Payao 3rd singleとして配信。

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