Departure
2018.09.30
何もない場所でも
何も持たない僕らでも
新しい始まりを創っていく
空をテーマにした「出発」の歌
LYRIC
Departure
ごめん、もう行かなくちゃ
白い靴 数えた水溜り
いつまでも やまない雨の
上がるのを待って
祈っていたって
嘘をつくのに慣れて
虹の渡り方を忘れていく
名もない鳥の群れは今も
南風に乗って空を泳いでた
空が青いから何か始めようか
伝えたいこと 隠せないこと
ごめん、もう抱え切れないんだ
「もしも1つだけ願い事が叶うなら」
そんなフレーズを懲りもせずまだ歌った
笑われても 霞んでも
それでも信じたい
飛べやしないから 擦り剥いても走って
転んだ時 空を見て笑えたら
何もないような場所でも
新たな始まりに変わる
「出発を」
心はあの翼もその足も持たないまま
待ってるんだよ 連れて行けるでしょう
そして今 唄に変わるんだ
遠ざかっても解けない糸 結んで
「また逢えるさ」と僕らは別れを言った
疑われても 痛んでも
それでも愛したい
羽もないけど 息も切れるけど
もしも1つだけ、ただ1つだけ
何もないような僕らでも
新たな始まりを創る
「出発を」
COLUMN
スタジオジブリの「風立ちぬ」を見て、登場人物が真摯に夢に向かって進む姿、力強い眼差しが心に残り、折れかけていた心がまた前を向いたのを感じた。そのままだが、自分も空を題材に「何かを追いかけている人の背中を押せる曲を作りたい」という思いから、手を付け始めた曲だ。
実は作曲したのはかなり古く、2013年の頃の曲になる。歌詞はその時まだついていなかったが、空に羽ばたく出発の曲だとは当時から思っていた。今回、改めてPayaoという活動を行う上で、「出発=Departure」という曲をどうしても採用したくなった。
まだこのサイトで自分のことを語っていないが、思い返してみれば、今まで紆余曲折あった。
何度挫折しただろう?
バンドは組んでもすぐ解散、初めて作った曲も周りから反応はいまいちだった。レコード会社の人と組んで制作するようになってからも、トントン拍子とは勿論いかず、何度も何度も突き落とされ、その度に這い上がってきた。2年程音楽を全くやらなかった期間もある。その期間も音楽を捨てられないものと気付くいいきっかけになった。何度も転んで、何度も擦りむいて、その度倒れた体を仰向けにすれば、綺麗な空が広がっているみたいに思えた。また新しいことを1から始めればいいじゃないか、ここが新しい場所で、新しい出発を創ればいいんだといつも気付かされてきた。
これからどうなるかはわからないけど、多くの方に聞いていただけて、もうすでに辞めなくてよかったと心から思ってる。
行けるところまで行こう、その都度出発しよう。心のままに。
そんな気持ちを基に作った大切な曲です。
【制作過程】
2013年
当時活動していたバンドで、アルバムのリード曲として制作した。「風立ちぬ」の影響を受けて空をテーマに誰かの背中を押せる曲を作りたいと思ったのがきっかけだった。サイクリング中にサビのメロディが浮かんだのを覚えている。
作曲時点で試行錯誤を繰り返していた。シンプルに聞こえる楽曲だが実は曲の構成にはかなりこだわっている。通常よりもサビの頭のメロディのキーが低いことから、AメロBメロはキーを上げてバランスを取るようにしたり、曲の雰囲気を守るために実はBメロとサビは全く同じコード進行を使い、テンポを上げることで雰囲気を切り替えている。
楽曲は完成したものの、バンド自体が解散したため、残念ながらお蔵入りに。
2017年11月
Payaoとしての初のアルバムを出すということで、出発=Departureを収録したいと思った。Jimuno.kさんに相談し、Payaoの出発のイメージを共有し、雨雲を突き抜けて青空が見えて来るような、そんなアレンジをお願いした。
2017年12月
Jimuno.kさんとの協働でレコーディング。人間らしさを出すためにあまり回数をとらず、敢えて荒いテイクを採用し多部分も。
2017年1月
上原翔さんによるミックス /マスタリング
2018年9月
1st Album「Grass Hopper」の楽曲としてリリース。